Riwako SUMI 角りわ子
角りわ子・精進の人
角りわ子さんは、私が住む信濃北御牧村の
煉性のつよい畑つちを頑固に焼きつづける作家だ。
私が「精進百選」を出版したとき、百点を越す大鉢、小皿を焼いてくれた。
多数の読者が本の写真を見て誉めた。料理ではなく、皿や鉢を。
日頃から角さんの器で暮らしていると、よそへ出たとき、
かすかな寂寞をもてあますのが常である。あ、あの皿がないぞと思うのだ。
形も色も独自で一見して洋風な線描画も
陶のもつ東洋の地風を滲みでていて、まことの味が深い。
個性の多彩さは、まったく、精進の人だと思わせる。
水上 勉
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